高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度の調べ方|紹介センターの届出を確かめる手順
高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度は、老人ホーム紹介センターなどの紹介事業者が、行動指針と遵守項目に同意して届け出て、その一覧を公表する仕組みです。高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)が運営し、サイトの「届出紹介事業者検索」で、紹介センターが届け出ているかどうかと、相談員数や契約ホーム数などを確かめられます。
この記事の要点
- 届出公表制度は、高住連(全国有料老人ホーム協会など3団体で構成)が運営する仕組みで、届出は毎年更新です。
- 届け出る紹介事業者は、紹介先が提携先に限られることの説明や、紹介手数料のルールを明確にすることなどの遵守項目に同意します。
- 2026年11月6日の検索では、届出事業者は全国で830件、大阪府に事業所がある法人は192件、大阪府のホームを紹介できる法人は343件でした。
- 厚生労働省の標準指導指針は、ホームが紹介事業者を選ぶときに、届出をして行動指針を守っている事業者を選ぶのが望ましいとしています。
- 届出は許可や認定ではありません。紹介事業者の優良認定制度は、2027年度に始まる予定です。
「紹介センターに相談したいけれど、どこが信頼できるのか判断する手がかりがほしい」
老人ホーム紹介センターは、相談も紹介も無料のところが多く、手軽に使える一方で、どこも同じように見えて違いが分かりにくい相談先です。紹介センターを国や自治体が登録して公表する仕組みは、まだ始まっていません。
その中で、紹介センターについて公表されている数少ない情報が、高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)の「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」です。この記事では、制度の中身と、高住連のサイトで届出を調べる手順を、2026年11月6日に確かめた内容でまとめました。
堂島 健一のひとこと 施設を運営する側にいた立場から見ると、紹介センターは「どの施設と提携しているか」「施設からどんな手数料を受け取るか」で、紹介の仕方が変わりうる相談先です。届出公表制度は、そのルールを明確にすると約束した事業者の一覧として見ると使いやすいです。
高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度とは
高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度は、老人ホームなどの紹介事業者が、行動指針と遵守項目に同意して高住連に届け出て、高住連がその一覧を公表する仕組みです。
高住連のサイトでは、制度の目的を、入居を考える本人や家族、ケアマネジャー、医療機関が相談先を選ぶ参考になるよう紹介事業者の一覧を公表すること、そして紹介事業者の相談・紹介の質を高めることとしています。
項目 | 内容(高住連のサイトの記載、2026年11月6日に確認) |
|---|---|
運営 | 高齢者住まい事業者団体連合会(高住連)。事務局は公益社団法人全国有料老人ホーム協会内 |
高住連の構成 | 公益社団法人全国有料老人ホーム協会、一般社団法人全国介護付きホーム協会、一般社団法人高齢者住宅協会の3団体(厚生労働省の標準指導指針の記載) |
届出 | 紹介事業者が行動指針と遵守項目に同意して届け出る。毎年更新 |
公表期間 | 毎年10月から翌年9月末までの1年間 |
届出(更新)費用 | 1万円 |
公表の取り消し | 遵守項目が守られない場合や、届出に虚偽が分かった場合は、公表を取り消すことがある |
制度は2020年10月1日から運用されています(厚生労働省老健局高齢者支援課の事務連絡による)。
届け出た紹介事業者が守ると約束していること
届出をする紹介事業者は、行動指針と遵守項目に同意します。行動指針は、入居を考える人の心身の状況や希望に沿って、ふさわしい住まいを公正・誠実に提案することを掲げています。
2025年1月以降の届出で守ることになっている遵守項目の主なものは、次のとおりです。
- 入居を考える人に、紹介するのは原則として個別に提携している住まいであり、すべての住まいから紹介しているわけではないことを説明する。
- 住まいとの契約で、紹介手数料の金額の定め、手数料を受け取る権利が生じる時期、紹介の有効期間、短期で契約が終わったときの返金、複数の紹介事業者からの紹介が重なったときの扱いを明確にする。
- 紹介手数料の金額を、家賃・管理費などの自費の部分に応じた平均的な水準から大きく上振れさせない。要介護度やがん末期など、社会保障の給付をあてにしたとみなされる金額の設定は厳に慎む。
- プライバシーポリシーを公表し、個人情報を適正に扱う。
- 苦情が出たときは、その解決に努める。
- 法令と企業倫理を守る。お祝い金やキャッシュバックで客を誘うこと、入居希望者の介護度や医療の必要度に応じた手数料の設定などは、倫理に反する行為の例として挙げられている。
紹介を受ける家族にとって大事なのは、1つ目です。紹介センターが紹介できるのは提携している住まいが中心で、地域のすべての住まいではありません。相談のときに「提携している施設は、この地域に何件ありますか」と聞くと、紹介の範囲がつかめます。
届出紹介事業者検索で届出を調べる手順
紹介センターが届け出ているかどうかは、高住連のサイトの「届出紹介事業者検索」で調べられます。2026年11月6日に確かめた手順です。
- 高住連の届出紹介事業者検索を開きます。
- 下の表から、探したいことに合う欄に条件を入れます。
- 必要なら「相談方法」(対面・WEB・電話)にチェックを入れます。
- 「検索」を押し、一覧の法人名を開くと、届出の内容が見られます。
探したいこと | 使う欄 | 出てくる法人 |
|---|---|---|
相談に行ける場所で探す | 「事業所の所在地」で都道府県を選び、必要なら市町村を入れる | その地域に事業所を持つ法人 |
入居先の地域で探す | 「入居希望都道府県」で都道府県を選ぶ(3つまで) | その都道府県のホームを紹介できる法人 |
特定の紹介センターを調べる | 「キーワード検索」に法人名やサービス名を入れる | その名前を含む法人 |
紹介センターのサービス名と、運営する法人の名前が違うことがよくあります。サービス名で見つからないときは、紹介センターのサイトの会社概要で法人名を確かめて、法人名で検索します。
検索結果と詳細ページで分かること
届出紹介事業者検索では、法人ごとに次の内容が公表されています。
項目 | 内容 |
|---|---|
届出公表番号 | 届出の番号 |
代表者・住所・電話番号 | 法人の情報 |
相談員数 | 相談員の人数と、高住連の基礎講座を受講し終えた人の数・割合 |
紹介事業開始日 | 紹介事業を始めた日 |
契約法人数・契約ホーム数 | 紹介の契約を結んでいる法人とホームの数 |
紹介可能都道府県 | ホームを紹介できる都道府県 |
相談所の一覧 | 相談所ごとの住所・電話と、相談方法(対面・WEB・電話) |
契約ホーム数は、その紹介事業者が紹介できるホームの数の目安になります。ただし、全国の数で書かれていることが多く、入居を考えている市町村で何件紹介できるかは、相談のときに確かめます。
大阪・兵庫・奈良の届出事業者の数(2026年11月6日)
2026年11月6日に届出紹介事業者検索で調べた件数は、次のとおりです。
条件 | 件数 |
|---|---|
全国の届出事業者 | 830件 |
大阪府に事業所がある法人 | 192件 |
大阪府のホームを紹介できる法人 | 343件 |
兵庫県に事業所がある法人 | 56件 |
兵庫県のホームを紹介できる法人 | 297件 |
奈良県に事業所がある法人 | 12件 |
奈良県のホームを紹介できる法人 | 246件 |
大阪府のホームを紹介できる法人のほうが、大阪府に事業所がある法人より多いのは、府外に事業所があって大阪府のホームも紹介する法人が含まれるためです。対面で相談したいときは「事業所の所在地」で、電話やWEBでよいときは「入居希望都道府県」で探すと、目的に合った結果になります。
厚生労働省の指導指針と、2027年度の認定制度
届出公表制度は、厚生労働省の「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」にも書かれています。2024年12月6日の改正で、ホームが紹介事業者と契約するときの留意事項が加わりました。
- 入居希望者の介護度や医療の必要度などに応じて手数料を設定するなど、社会保障費の不適切な使い方を助長すると誤解されるような手数料の設定をしない。
- 月額利用料などに比べて高額な手数料と引き換えに、優先的な紹介を求めない。
- 紹介事業者を選ぶときは、届出公表制度に届出を行い、行動指針を守っている事業者を選ぶことが望ましい。
さらに、厚生労働省の検討会(2026年10月9日)の資料では、入居者紹介事業の優良事業者認定制度を、今の届出公表制度を前提に、ホーム・紹介事業者・有識者の三者で設計し、2027年度から運用を始める予定とされています。
堂島 健一のひとこと 届出の有無は、紹介センターを選ぶ材料の一つです。届け出ていない紹介センターが法律に反しているわけではなく、届け出ているから紹介の中身まで保証されるわけでもありません。最後は、提携先の範囲と手数料のことを、担当者が自分から説明してくれるかで判断してください。
届出の有無を見るときの注意点
届出公表制度の届出は、許可や認定ではありません。紹介事業者が自分で届け出て、内容を公表する仕組みです。
- 届け出ていない紹介事業者もあります。届出がないことは、法令違反を意味しません。
- 公表されている数字(相談員数、契約ホーム数など)は、紹介事業者が届け出た内容です。
- 届出があっても、紹介される施設が自分に合うかどうかは別の話です。紹介された施設は、重要事項説明書と見学で確かめます。
介護施設探しノートでは、大阪・兵庫・奈良で使える紹介センターなどの相談先を、届出公表制度への掲載の有無を含めて、同じ項目で相談先の比較に並べています。掲載の有無は、相談先ごとに高住連の一覧で確かめた日付つきで載せています。
よくある質問
高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度とは何ですか?
高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度は、老人ホームなどの紹介事業者が行動指針と遵守項目に同意して高住連に届け出て、その一覧を公表する仕組みです。全国有料老人ホーム協会など3団体で構成する高住連が運営し、2020年10月1日から運用されています。届出は毎年更新です。
紹介センターが届出をしているか、どこで調べられますか?
紹介センターの届出は、高住連のサイトの「届出紹介事業者検索」で調べられます。法人名やサービス名でキーワード検索するほか、事業所の所在地や入居を希望する都道府県で探せます。サービス名で見つからないときは、運営する法人の名前で検索します。
届出がない紹介センターは使わないほうがよいですか?
届出がない紹介センターも、法令に反しているわけではありません。届出は紹介事業者が自分で行う仕組みです。届出の有無に関係なく、紹介できる施設の範囲と、施設から受け取る手数料の仕組みを、相談のときに説明してもらえるかを確かめることが大切です。
届出公表制度に届け出ている事業者は、どのくらいありますか?
届出公表制度に届け出ている事業者は、2026年11月6日の検索で全国830件でした。大阪府に事業所がある法人は192件、大阪府のホームを紹介できる法人は343件でした。届出は毎年更新されるので、件数は時期によって変わります。
紹介事業者の認定制度はいつ始まりますか?
紹介事業者の優良事業者認定制度は、2027年度から運用を始める予定です。厚生労働省の検討会の資料(2026年10月9日)で、今の届出公表制度を前提に、ホーム・紹介事業者・有識者の三者で制度を設計すると示されています。
まとめ
高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度は、紹介事業者が行動指針と遵守項目に同意して届け出る仕組みで、高住連の「届出紹介事業者検索」で届出の有無と、相談員数・契約ホーム数・紹介可能都道府県などを確かめられます。
届出は許可や認定ではなく、届出がないことも違法ではありません。届出の有無は相談先を選ぶ材料の一つとして使い、紹介の範囲と手数料の仕組みを相談のときに確かめてください。2027年度には、届出公表制度を土台にした優良事業者認定制度が始まる予定です。
出典と確認日
- 高齢者住まい事業者団体連合会「紹介事業者届出公表制度」:2026年11月6日に確認
- 高齢者住まい事業者団体連合会「届出紹介事業者検索」:2026年11月6日に件数と詳細ページの項目を確認
- 厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」(最終改正 2024年12月6日 老発1206第2号):2026年11月6日に確認
- 厚生労働省「登録制の施行に向けた対応について(まとめ)(有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 第10回 資料1)」(2026年10月9日):2026年11月6日に確認
- 厚生労働省老健局高齢者支援課 事務連絡(2020年10月1日)「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」の運用開始について(岩手県が掲載したもの:PDF)